子どもを自ら机に向かわせる「仕掛け」とは?
【4:学びに向かう環境づくり どこで勉強すればいいか】
とはいえ、子どもを自ら机に向かわせるのは至難の業です。それなりの「仕掛け」が必要です。自ら机に向かう習慣の環境づくりです。
たとえば、「机」をどこに置くか。これは意外と大切です。家庭教育に関する知識が普及し、リビングルームに子どもが勉強できるような机を置く家庭が多くなりました。これなら親の目も行き届き、やっているかどうかもよくわかります。すぐそばにいるので、声かけもしやすく、教えやすいです。ひとりでいることが不安な子どももいるので、特に小学校の低学年までには効果的でしょう。
リビングルーム勉強が向いている学年は?
しかし、「リビング勉強」は落とし穴があります。小学校も高学年以降だと、同じ環境が必ずしもいいとは限らないのです。
まず、小学生高学年だと家に帰ってくる時間が遅くなります。帰宅後すぐに習い事がある場合もあるでしょう。そうなると、当然自宅の机に向かう時間は遅くなります。さらに、大好きなテレビ番組の時間とかぶるかもしれません。いや、自分が興味なくても、家族の誰かがテレビを見たりゲームをしたりするかもしれません。
その場合は、やはり自分の部屋など雑音に邪魔されない空間のほうが集中できる可能性が高まります(特に弟や妹がいる場合は要注意です)。また、高学年になると内容も難しくなってきて、親のほうがうまく教えられなくなることも増えます。
教えられたとしても子どももそろそろ思春期に突入し、反抗的になって親のアドバイスを素直に聞かなくなってきます。その時に、親が近くにいると、つい口出ししたくなっていまい、余計に学習意欲を下げることにもなりかねません。
そうなると、仮に机に向かう習慣が身についていても、外的要因によって崩れる可能性が出てきます。「今のわが子」に合うのはリビング机か、自分の部屋の机か。「机がどこにあるべきか」という視点は、習慣化を考える上で大切です。