「勉強しなくても別に構わん。中学出たら働けばいい」
極端な話、「勉強をさせようとしない親」でも、大丈夫なのです。事実、超名門と呼ばれるような大学に通う学生の多くが「勉強しろと親に言われたことは一度もない」と口をそろえて言います。これは、日本だけでなく、世界共通のことのようです。
私も「超名門」というほどではないものの、地方の国立大学に現役で入学しています。考えてみれば私自身も、親に一度も「勉強をしろ」と言われたことがありません。そして、中学生までに学習習慣は身についていました。
私の父は、私が小学生の頃から「勉強しなくても別に構わん。中学出たら働けばいい」と笑って言っていました。これは笑い話ですが、大学受験の勉強中、この父はたまに帰ってくると、私の部屋でゲームをしていたという豪快な逸話を持つ人物です。
しかし、そんなことで私の勉強の手は止まりません。その頃には自分にとって学習が「必要」と判断していたからです。親がしたのは、きっかけとして、通信教育の教材をとることを許可したことぐらいです。習慣化の勝負は、中学生までについていたのです。
「母さんは、バカだからさ」と机に向かった母親
【おわりに】
ここまで、自ら机に向かう子どもにするためのアイデアを述べてきました。しかし繰り返しになりますが、何より親ができることは、「勉強をしろ」ということよりも、その環境を整えて見守ること。
先に例に挙げた私の父も、思えば寝る前に建築に関する勉強をしている姿をわが子に見せていました。母は、「母さんは、バカだからさ」といって、机に向かって、やはり看護に関する勉強をしていました。親自身の姿は、最高の家庭学習環境です。
まずは親である自分自身が勉強、学習を楽しむ姿を見せることから始めてみませんか。