ブランド物はNG、お金をかけるなら靴
では、このように高い意識を持つ経営者たちは、どんなことにこだわりを持っているのか。
「常に人と会うときのことを考え、部下や社員からも憧れられる存在でありたいと思っているので、多くの経営者は『身だしなみ』に気をつけます。大切なのは、清潔感と品のよさ。初対面の相手とのコミュニケーションがマイナスからのスタートにならないよう、見た目を整えるのです。ひと目でブランド物だとわかるようなアイテムは品がないので、あまり好まれません」
藤田氏は、まだ若い社長など、身だしなみについて自信のない顧客から個別に相談を受けることもあるという。
「ある程度のポジションに就くと高価な腕時計を買う方もいますが、あれは身だしなみというよりはコレクションであり、個人の趣味です。他人からの印象を気遣う人が一番こだわるのは靴ですね。『しっかりお金をかけているもの』の3位にランクインしているのも納得です。そういう人は、足にフィットしたシルエットの綺麗な紐靴を履いています。初対面の方に会うときは、足元に注目してみてください」
同項目での経営者と社員をランキングで比べると、経営者では「靴」(3位)、「スーツ」(5位)、「財布」(7位)といった身だしなみや小物関連が社員よりも上位に。それに対して社員では、「外食」(3位)、「家庭での食事」(5位)といった食事関連や、「私服」(10位)が経営者よりも上位になった。ビジネスで使うものにお金をかける経営者と、プライベートの時間に使うアイテムにこだわりを持つ社員、という対比が見てとれる。経営者は、自分の姿を保つことで、社員に明るい未来を見せようとしているのだろう。
ボランティアに熱心なのも、経営者の特徴だと藤田氏は語る。
「成功した人が次に考えるのは社会貢献なんです。経営者の方には野心的な部分もありますが、社会をよくしていきたいという気持ちが強いんですよ。そして、非常に行動力があります」
「理想とする将来像」の項目では、社員には年収による変化がほとんどなく、約7割が「今ある幸せを大切にしていきたい」と答えた。一方、年収1000万円以上の経営者の4割以上が「できるだけ富や名声を得たい」と答えている。このことからも、経営者のマインドが社員に比べて野心的だと言えるのではないだろうか。