引退時期は自分で決める!最高齢は78歳のエンジニア

――人材活用術について教えてください。

18歳の若人から、活力に満ちた40歳代、熟練技術を有している70歳代の3世代が喜びを分かち合いながら働ける「Work-by 3G(トリプルジェネレーション)」の実現を実践しています。

具体的な施策としては、法律があるので当社でも60歳での定年制度はあります。しかし、当社では、社員の引退時期は、会社ではなく自分で決めることが出来るのです。現に当社での最高齢の社員は78歳で、水処理関連の現役バリバリのエンジニアなのです。この年齢だと、工業高校卒の新入社員は孫のようなものです。おじいさんの世代の会社の大先輩が、孫世代である新入社員を教育することによって、社会常識をはじめ、様々な技術が伝承されていくのです。近い将来には、80歳代の部長が誕生しそうです。

女性社員の活用のための施策も考えています。三重県の本社内に保育所を作る予定です。子供がいる女性社員は、子供と一緒に出勤し、会社内の保育所に子供を預けてから、職場で働きます。お昼休みは、子供と一緒に昼食をとることが可能です。また、帰りには、子供を連れて帰宅するのです。女性社員の「子育て」という大きな負担を、会社側で出来る限り軽減できるようなサポートを行うことによって、有能な女性社員を辞めさせずにフル活用することが出来るのです。

今までは、三重県や奈良県にあった半導体工場や液晶工場の縮小・閉鎖に伴う余剰人員を、中途採用して技術者として雇用することで、企業発展の元となるエンジニアを確保してきました。しかし、今後は働き盛りのエンジニアを確保することは難しくなりそうです。だから、新卒採用にも注力しており、本社工場に新棟を建設し、半導体製造装置の保守・メンテナンス作業の実習スペースを社内に初めて設置しました。この投資によって、保守・メンテ人材の育成環境を整え、TFM(トータルファシリティマネジメント)を拡大していきたい。

▼「相場の福の神」人材戦略のココに注目!

ジャパンマテリアルは、高齢者・女性という、今までの企業があまり上手く活用できなかった層に思い切った施策を打つことよって、成長の核となる有能な人材を確保しています。また、人材の育成環境を整えることによって、自社の人材のスキルを高め、最先端工場の様々な業務のアウトソーシングの受託を可能としています。まさに、日本の最先端工場を守るのに、なくてはならない縁の下の力持ち的企業です。

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