男性管理職「子どもが3歳までは母親は育児専念すべき」が本音?
【(2)男性管理職の意識:3歳児神話は薄れていない】
アンケート調査結果によれば、女性の登用に賛成している男性管理職のうち、「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たずに育児に専念すべきだ」と回答したのは全体の約6割。「女性の登用に賛成」しているにもかかわらず、3歳までは母親が育児をという考えを持っているのです(図表2)。
ヒアリングのなかでも、
「男女の良さを活かす役割分担を行うと、母親は子どもとの接触時間を増やし、父親は生活費を稼ぐなど外での活動を多くして、家族全体として幸せな形を作っておくべきだと思う」
「父親と母親が家庭で活躍できる時期は違う。初期段階では、父親が支援しながらも、母親が主になると思う」
など、育児へ専念する母親像を求める男性管理職が多いと感じました。夫婦で役割分担は(物理的に)半々にした方がよい、といった性別役割分担とは異なる意見を持つ男性管理職はごく少数でした。
さらに、ある女性管理職は次のように話してくれました。
「子どもの健康問題など事情を抱えている一部の男性管理職を除き、男性管理職のなかで、自身が育休を取得する、あるいは、男性部下の育児休業取得に理解のある人は周囲に少ないです」
男女を問わず、ワーク・ライフ・バランスの在り方も多様になるなか、男性管理職は、自身の価値観に捉われずに、部下の求める働き方を理解し、支援できるかが課題といえます。