【三浦】今は政党の世界では自民党の「一強」といわれる状態ですが、引き続き勝者であるためにはどういう努力が必要だと考えていますか。
【茂木】たとえば我々は野党時代に、「ふるさと対話集会」という、20人、30人が車座になっての集まりをやってきました。一度に集まる数は少なくても、間近で話をすることによって、その人たちが「茂木さんと話をした」と他の人たちに伝えてくれる。話したことが拡散され伝達されていくイメージがあったと思います。ただそうした場に集まる人たちは、どちらかというと年齢層の高い方が多いのです。若い世代が車座の集会に参加してくれるかというと、なかなか難しい。そういう人たちには、先ほどいったようなネットを使った訴求をしていく。なかでも、「参加している」という感覚を持ってもらうことが重要だと思っています。
【三浦】「参加する」といいますと?
【茂木】若い世代にとっては、「そこに自分が参加できる」ということ、社会や政治との関わりを持つことが重要なのではないかと私は思っています。今度のオープンエントリーもそういった若者の志向を意識したものです。自分がネットを通じて政治に関わることができる。候補者を選べる。そして自分が選んだ候補が公認されて選挙に出るということになったら、「あの人は自分が選んだんだ」という思いから、周囲の人たちにその人について伝える、そういう形に発展していくのではないかと期待しています。オープンエントリーの応募者数は最終的に458人に上りました(1月31日締め切り)。
【三浦】女性候補についてはどうでしょうか。20年までに指導的な立場にある女性の比率を30%まで高めるという目標の達成が危ぶまれていますが、女性の候補をどうやって発掘し、増やしていくお考えですか。
【茂木】これまでですと国政選挙の候補者は、地方議員の中から出たり、中央の官僚から出たり、野党の場合には、労働組合の役員がなったりという形でした。しかし日本の場合、そういった候補者の母体となるところで女性の比率が低いという問題があります。もともと母数が少ないので、女性議員の数も少なくなってしまうわけです。
そう考えると、今回のようなオープンエントリーの仕組みのほうが、女性にとって政治の世界に入りやすいという面があるのではないかと思います。これまでより応募のハードルが低くなっていますし、最終候補に残ったら、選ぶのはもう一般の方々ですから、男性でも女性でもイコールな立場です。
現実に女性の政治家は少ないわけですから、子育て世代の思いであるとか、女性ならではの思いを代弁していくという意味で、むしろ優位性も持てるのではないかと思います。