ワインカクテルで裾野を広げる
ワインは月3回以上飲用するヘビーユーザーが全体の飲用量の約8割を占めるという特殊な市場である。メルシャンにとって、もう一つの大きな課題が、普段あまりワインを飲まない層にいかにワインの味を知ってもらうかだ。
コルク栓ではなく、開けやすくて保存も容易なスクリューキャップのボトルを増やす、容量が少ない飲みきりサイズのワインのバリエーションを増やす、といった取り組みに加えて、ワインを飲み慣れていない人でも飲みやすく、若者にも親しみやすい味の商品にも力を入れる。具体的には、サングリアやカリモーチョなどのワインカクテルだ。
1月19日には、サングリアの新商品として「ギュギュッと搾ったサングリア ロゼワイン×ストロベリー&チェリー&ピンクグレフル」を発売した。また、3月8日発売予定の「ワールドワインスタイル」は、白ワインにカシスリキュールをブレンドした「キール・スパークリング」と、赤ワインにコーラをブレンドした「カリモーチョ」という2種類のワインカクテル。それぞれフランス、スペインで親しまれている飲み方だという。
このほか、ワインカクテルではないが「すっきり白ワイン仕立ての梅酒」も発売する。梅酒は20~30代の支持が高く消費量が伸びていることに着目した商品だ。
「ワインは食中酒で、日本食にもよく合う。もっとワインを飲む人に増えてもらうことが大切です。『若者の酒離れ』と言われる中、20~30代はワインへの好意が増しており、実際に外食でワインを飲む機会も増えている。非常にいい傾向にあります。
すでにワインを飲んでいる方に対しては、もっと深く掘り下げてもらえるような取り組みをしなければならない。その一方でまだワインを飲んでいない人にワインを飲んでもらい、裾野を広げる取り組みも必要。私たちは、両方やらなくてはいけないのです」