アナログ好きだからデジタルが生きる
圭一郎も情報システムを大学で学び、入社後、すぐに品質管理システムを作り上げた。これは過去の生産履歴と不良発生原因をデータベース化し、不良を未然に防ぐ仕組みだ。
ITシステムをテコに進化してきたJKBだが、平井親子に共通しているのは現場重視である。システムは従業員の仕事を支援するものであって縛るものではない。和夫のポリシーは「工場は従業員たちのもの」である。
圭一郎も頻繁に工場を訪れ、従業員たちと話し合ったり、立ち話をする。
「意見交換にITは使わない。メールどころか電話さえもよくないと思う。大切な話は面と向かってするものです」と圭一郎。
さらに、アイデアをまとめる時は、ワープロを使わずに紙に手書きしながらまとめていくという。
「デジタルも大切ですが、アナログも好きで、この両方の使い分けが重要だと思います」と和夫。
アナログの意義をわかっているからこそ、JKBのデジタル化は生きたシステムに進化したのだろう。
(本文中敬称略)
●代表者:平井圭一郎
●創業:1951年
●業種:精密順送プレス金型の設計・製作、精密プレス部品の製作、電気計器部品の製作
●従業員:31名
●年商:非公開
●本社:川崎市高津区
●ホームページ:http://www.jkb-net.co.jp/