実態は、賞与ゼロの男性社員が26%

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年間標準賞与額別 厚生年金被保険者人数割合グラフ

厚生年金の被保険者は、2011年で3400万人いた。それを性別にチェックしてみた。

男性は「賞与ゼロ」だった人が2003年に21%だったが、2011年には26%になった。実に600万人近い男性がゼロだったことがわかる。「年間賞与30万円未満」だった人は、2003年にも2011年にも13%だった。

「年間賞与30万円未満」というのは、もはや賞与と呼ぶに値しないかもしれない。それは「寸志」と言ってもいいレベルだ。だから「賞与ゼロ+寸志」という人は、26%+13%ということで、実に4割を占めるまでになっている。

一方、「年間賞与200万円以上」は約1割いて、安定した賞与をもらっている。

厚生年金の被保険者の中には非正規従業員も含まれている。被保険者の何割が非正規なのか不明だが、非正規といっても実際には正規とあまり変わらないくらい勤務している人が多いはず。法的には正規従業員の4分3以上の勤務時間になれば厚生年金などへの加入義務が生じる。

それでは女性はどうだったか。「賞与ゼロ」だった人が2003年に27%だったが、2011年には33%になった。「年間賞与200万円以上」というのは1%しかいない。

このようなデータを解説すると、では日頃の「みなさん、ボーナス増えましたよね!」的な能天気な新聞報道はいったい何なのか? という疑問が沸くことだろう。

著者にいわせれば、民間の給与や賞与に関する記事は、実はほとんど信用できない代物で、ウソだらけである。

そもそも賞与を調査して発表しているところはどこか。経団連・経営者協会、人事院あたりが思い浮かぶことだろう。だが、それらの調査内容はブラックボックスで、他人が内容を検証できないとの指摘もある。

だから「恣意的な内容で、実は世間を欺くための情報操作に満ちている」と批判されても仕方がないのではないか。

例えば、こんな記事がある。「経団連は31日、大手企業の今夏のボーナス(賞与・一時金)妥結額の最終集計を発表した。回答した133社の平均額は86万7731円で、昨夏より7.19%増と、2年連続で増えた。伸び率はバブル期の1990年(8.36%)以来の高さとなった。調査は主要20業種240社が対象で、うち16業種の133社から集計可能な回答があった。」(読売 2014年8月1日)

筆者は、この記事を読んで「そもそも経団連って何だ?」と感じた。少なくとも周囲には経団連の加盟企業なんて見当たらないので、ピンと来ないのだ。

そこで経団連に電話をしてみた。