【田原】堀江さんのところと別れた後はどうしたんですか。

2000年、史上最年少(当時)で東証マザーズへの上場を果たす。

【藤田】エンジニアを採用していきました。でも、それでも足りなかったです。アメブロを始めたころは社員750人のうち、エンジニアが数十人という割合でしたから。いまは社員2700人のうち、6割弱がエンジニアです。

【田原】やっぱり技術力は大きい?

【藤田】はい。インターネットメディアは、芸能人を集めれば伸びるというほど簡単ではありません。やっぱり使いやすい、見やすいということが重要。テレビだとコンテンツが視聴率をつくりますが、ネットの場合、コンテンツの寄与する割合は大きくないです。

【田原】いまのテレビ局はコンテンツ以前に、どんなタレントを使うかというキャスティング勝負になっている。僕はアメーバも芸能人が利用しているから、同じようなものかと思っていた。

【藤田】そういう側面はあります。でも、僕の感覚でいうとコンテンツは3割ぐらい。7割は技術やデザインです。

【田原】なるほど。そこはテレビや雑誌と違うんだ。

【藤田】テレビ局や出版社がネットをやろうとしても、あまり成功していないですよね。あれは、「コンテンツがよければいい」というテレビや雑誌の文化をそのまま持ち込んでいるからです。

【田原】テレビや雑誌の人たちは、まだそこに気がついていないね。

【藤田】たぶんそうでしょう。われわれも、堀江さんに「アメーバ、また落ちてたね」とバカにされて、ようやく技術者集団に変わりました(笑)。