配偶者への愛ではなく「立地」への愛
こんなにも「恋」「愛」を前面に押し出したポエムは他に見たことがない。しかも柏。千葉は船橋で育ったぼくにとって微妙な気持ちにさせられる詩である。なんと言っても「柏愛」と書いて「かしわらぶ」と読ませる、高額商品の広告としてはかなり思い切ったコピーはあっぱれだ。駅からの距離まで恋に絡めてくる「恋する徒歩10分。」には笑ってしまった。
しかしよく見れば、これらに謳われているのは入居者同士のではなく、土地との恋や愛である。さきに見た、リチャード・ギアからの「東京を愛している、と照れずに言え」というメッセージ(湾岸の「ザ・トーキョー・タワーズ」(2008年築)の広告)と同じだ。
これまでくり返し、マンションポエムとは土地の詩である、と述べてきた。マンション自体ではなく、立地を売るのがマンションポエムである、と。つまりマンションポエムに登場する「恋」「愛」は、立地の素晴らしさをアピールするための手法にすぎない。配偶者への愛よりも立地への愛の方が、住宅ローンには重要なのである。
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