国産牛のブランド化が進んだきっかけ

また、政府が備蓄米の市場放出を行う際に、主に農協系流通を経由する形がとられており、消費者に近い卸売業者や中小事業者への直接供給は限定的である。加えて、農林水産省は「コメ不足」現象に対して、卸売業者が過剰在庫を保有しているとの見解を示しているが、それを裏付ける実証的根拠は乏しい。

こうした不透明な情報管理と市場操作的な政策運用が、流通における予見可能性を低下させており、市場参加者の合理的な意思決定を妨げている。

日本の農政が転換する契機として、過去に例のある「外圧」の存在は無視し得ない要因である。1990年代の牛肉・オレンジ自由化においては、米国からの強い要求に応じる形で制度改正が進展したが、結果的には国内産業の差別化とブランド戦略が進み、長期的には競争力強化につながったという経験がある。