「私たちがやらないでどうしますか」

その戦記とは、米軍上陸前に負傷、本土送還されたため玉砕を免れた多田実が記した『海軍学徒兵、硫黄島に死す』だ。同書では、軍属の装備の貧弱さについても触れられている。

それによると、工員たちは非戦闘員であるため〈悲しいかな小銃も少く、数少い手榴弾と爆雷、それに鉄や竹のヤリが兵器だった〉。そんなまともな武器もない状況の中で勇敢に戦った工員たちがいたという。それは誰だったのか。