こうして繰り返される「ちゃぶ台返し」

異動を強要することによって、自身の権力と影響力の誇示もできる。それだけでなく、学長に逆らったらひどい目に遭うのだと教職員全員に思い知らせることもできる。いい見せしめになるはずだ。自分に逆らった図書館の責任者が慣れない業務に四苦八苦する様子を伝え聞いて、学長がほくそ笑んだとすれば、まさに「怒りが楽しむのは他人の苦しみ」(同書)というセネカの言葉通りである。

学長が受け入れられなかったという点では、この大学のレベルの低さも同様だった。偏差値が50に届かないことが、かつて名門国立大学の教授だった学長にはどうしても受け入れられなかったようで、あの手この手で偏差値を上げようとした。

大学構内の廊下を歩く学生たち
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推薦入試やAO入試で入学させる学生の割合を増やしたり、受験科目を減らしたりしたのだが、こういうことは定員割れに悩む私立大学では、どこでも多かれ少なかれやっているらしい。ただ、厄介なことに、この大学では入試システムを変えるに当たって、委員会や教授会で一度決まったことを学長がひっくり返す「ちゃぶ台返し」が日常茶飯事だったという。