疫病の流行や僧兵の跋扈、長谷寺焼失…この世の終わりが訪れた

いよいよ、末法入りとなった段階で、象徴的な事件が起きた。1052(永承7)年に起きた「長谷寺の焼滅」である。この年の8月25日、現在の奈良県にあった長谷寺の本堂が炎に包まれた。同寺のシンボルであった二丈六尺(約8メートル)もの本尊十一面観音像も完全に焼け落ちてしまったのである。

疫病の流行や僧兵の跋扈、長谷寺焼失……。当時の人々は、いよいよこの世の終わりが訪れたと、切迫感をもって受け止めたことだろう。平安時代の歴史書『扶桑略記』には、当時の社会の混乱の様子が記されている。