もしも皇室典範がなかったならば

ただし、皇太子が不在であるという事態は決して珍しいものではない。戦後に限っても、現在の上皇が1952(昭和27)年に成年式を迎え、「立太子の礼」を経て皇太子に立てられるまで不在の期間が続いた。昭和の時代に入ってから27年間も皇太子はいなかったのだ。

それでも、現在の上皇が1933(昭和8)年に誕生したときから、将来皇太子になると見込まれていた。しかし令和の現状では、「新たな皇太子」がいつ誕生するのか、見通しはまったく立っていない。これはおかしなことではないか。そう思われる方もいるだろう。