さらにアグレッシブに運用したい人は、アクティブタイプの金の代わりに新興国株式を入れ、新興国への投資比率を高めることで積極的にリターンを狙ってみてはどうでしょうか。先進国へは45%、新興国へは55%と、先進国よりも新興国への配分を増やしました(アグレッシブタイプ)。ここで追加した新興国株式投信には、経済成長が著しいアジアのフロンティア市場を対象とした商品を選んでいます。
~先進国<新興国の配分でリターンを狙う
(先進国 45%/新興国 55%)
金の代わりにフロンティア市場の株式を加え、新興国投資を増やしてよりアグレッシブな運用を目指した。
リスクが高い新興国投資は、コアである先進国投資に“フレーバーを加える”という感覚で入れるとよい。自分が訪れたことのある国や、住んでみたい国を入れるのも考え方の1つ。
ブラジルのレアル建て投信は運用利回りが高いが、その分リスクも高いため注意が必要。ASEAN諸国やBRICsを混ぜながら、分散投資を意識するとよいだろう。
以上、個人の選好度に合わせて3タイプのポートフォリオを紹介しました。どのタイプを参照するにせよ、大切なことは、金融商品の仕組みやリスクを十分に納得したうえで商品を選び、投資することです。運用利回りが優れているから、人気商品だからという理由だけで購入してしまうと、損をした場合に後悔だけが残ることになりかねません。
今後10年、私たちの「お金」にかかわる状況はますます厳しくなっていくでしょう。年功序列の崩壊と長引く景気低迷で給料が伸びず、少子高齢化の急進から社会保障費の負担が年々重くのしかかるようになります。そのうえ、自分たちの老後の年金はどれだけあてにできるかわからないのです。
膨大な国の借金問題と震災復興が重なり、消費税増税も避けられないとなれば、私たちの生活は苦しくなる一方です。こうした厳しい状況においては、いかに自分の資産を守りながら、将来のために備えるかを考えていく必要があります。
海外投資で自分の資産を守り、将来に備えることは、現代を生きる社会人には必須要件といえるのです。
(構成=前田はるみ)