大学受験の浪人時代に、自分のスタンスや拠り所を定めたいと思い、小林十三や松永安左エ門をはじめとするいろいろな伝記を読みました。その中でも特に印象に残ったのがこの本です。
主人公の広田弘毅は、日露戦争から第二次世界大戦に至る「暗黒の40年」と呼ばれている時代に戦争を避けようと活躍した外交官です。軍部の露骨な妨害に遭い世論にも足を引っ張られながら、挫けずに職務を遂行する姿に感動を覚えました。
現在の「失われた20年」と呼ばれる景気の後退局面にあっても京セラが躍進できたのは、広田のように自分の使命を信じて、与えられた役割をまっとうしてきた社員のおかげだと考えています。