五代目瀬川とはまったく違う性格

だが、「べらぼう」の誰袖は、土山の横にいながら花雲助こと田沼意知に見惚れ、そちらに近づこうとする。

意知は、松前藩の元勘定奉行でいまは藩を離れている湊源左衛門(信太昌之)との密談に熱中していた。湊からは、藩主の松前道廣(えなりかずき)が横暴のかぎりをつくし、藩としても抜け荷(密貿)をしている、という話を聞き出していた。その話を誰袖は、十文字屋の者に盗み聞きをさせていたのだ。

後日、田沼屋敷に呼ばれた土山は、意知に誰袖からの手紙を渡した。そこには折り入って話があるという旨が書かれていたので、意知はふたたび花雲助に扮して大文字屋に出向いた。すると誰袖は彼に、吉原に出入りする松前藩関係者や、松前藩の下で取引する商人の情報を提供する、と持ちかけた。