非常電源は多くの病院に備えられており、こうした場所は停電下での貴重な拠点となった。英インディペンデント紙は、バルセロナの病院が電力を維持していたため、院内のATMから現金を引き出そうと多くの市民が列をなしたと伝えている。

市民のアレックス・ロペス氏は同紙に、「病院は電力が通じている数少ない場所だったので、念のため現金を確保したいと思いました」と語った。キャッシュレス化が進む現代社会において、電子決済システムが使えない停電下で、現金の需要が急増したことは一つの教訓となりそうだ。

日没時の送電鉄塔
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交通網は完全麻痺、3万5000人が列車に閉じ込められる

鉄道では、数万人が足止めされる事態となった。AP通信によると停電で100本以上の列車が線路上で立ち往生し、スペインの救急隊と鉄道職員らは乗客約3万5000人の救出活動に追われた。サンチェス首相は、夜11時の時点でもなお11本の列車に乗客が取り残されていたと明かしている。