休職診断書を巡る「精神科医vs産業医」

もちろん、初診でも重篤な状態で2〜3カ月の休職が必要、と判断される患者さんもいます。しかしこの社員のように、初診、つまり初対面の段階でドクターストップ、かつ時には薬物療法も開始せず、ただ診断書だけが発行される事例を目にすると、人事担当者には正直に「この診断書はちょっとおかしいですね」とコメントせざるを得ません。

訴訟社会であるアメリカでは、訴訟した、された側の弁護士同士の争いが熾烈ですが、日本では診断書を出したメンタルクリニックの精神科医vs会社側の産業医という、医師同士の意見の相違が顕在化しつつあります。私も実際、産業医として、休職診断書を発行したメンタルクリニックの医師に、その診断根拠や治療の状況を照会することがあります。

近年では、ネット検索のSEO対策で「診断書即日発行」などと謳うメンタルクリニックが増え、患者さんが初診で訪れたその日に、長期にわたる休職診断書を発行するようなケースも見受けられます。