日本の造船技術は今でも「世界トップクラス」

日本の造船業は、かつて世界一の地位を誇っていた。戦後復興から高度経済成長期にかけて、日本はその高い技術力と労働力、そして独自の品質管理能力によって世界の海運市場を席巻した。だが21世紀に入り、中国と韓国の国家主導による価格競争・設備投資攻勢に押され、数量ベースでのシェアは低下。2020年代現在では世界第3位の造船国となっている。

それでも日本の造船技術は依然として世界トップクラスだ。今治造船、日本シップヤード(今治造船とJMUの統合企業)、三菱重工、川崎重工といった主要企業は、LNG燃料船、アンモニア対応船、超省エネ型商船、静音型巡視艇などで、世界中のオーナーから“高品質・納期厳守・安全航行”のブランドとして信頼を獲得している。日本製の船が数十年にわたって使用され続ける理由は、こうした技術と品質の積み重ねにある。

夕暮れ時の造船所に横付けされたコンテナ船
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一方で、構造的な課題も山積している。まず人材の確保が急務だ。とくに地方の中堅・中小造船所では熟練技能者の高齢化が進み、若年層の確保も難しい。溶接、設計、工程管理など、すべてが人手に依存していた従来モデルは限界に達しつつある。