「世界貿易の再構築」という野望

昨年11月、米ハドソン・ベイ・キャピタルのシニア・ストラテジスト職にあったミラン氏は、“A User’s Guide to Restructuring the Global Trading System(世界の貿易システム再構築の手引書=筆者訳)”を公表した。そのレポートの要点を一言で表現すると、関税を主な手段として現在の国際秩序を壊し、米国にとって有利な格好で再構成することだ。

冒頭で、世界の通商、金融、防衛体制は、世紀に一度の転換点にあると提示している。ここでいう転換とは、米国はこれまで世界に搾取されてきた状況を変革して、米国が有利になるように体制を変えるということだ。ミラン氏は、米国の貿易赤字の拡大や製造業の衰退は、世界の中で米国が損失を被っている証拠と論じた。

その要因として、同氏はドルの過大評価を批判した。基軸通貨であるドルは、主要な外貨準備として保有され、貿易や有価証券投資でも需要が増えた。そのため、ドルは円やユーロ、人民元に対して割高に推移したと分析している。