どの企業も“高みの見物”はしていられない
大多氏は24年に関西テレビの社長に就任し、1月の定例記者会見で「この件に関西テレビは一切関与していない」と述べた。中居氏に対する怒りの感情も明かし、それをポジティブに受け止めたメディアが多かった印象だ。ところがフジテレビの関係者とは一歩引いたような大多氏の発言を、調査報告書は一蹴した。「あなたは紛れもなく首謀者のひとりです」と言わんばかりに、大多氏の名前を挙げたうえで当時の対応を厳しく批判したのだ。
大多氏の動向が注目されたが、4月1日に開かれた関西テレビの入社式で新入社員を含む全社員に謝罪。同月4日には辞任を発表した。大多氏は第三者委員会の指摘で辞職を決断したと述べていることからも、調査報告書がもたらした影響は大きかったといえる。
私が最大限に評価しているのが、フジテレビには「ハラスメントに寛容な企業体質」があると指摘した点だ。人権意識の低さとガバナンス機能の不全を問う踏み込んだ指摘により、フジテレビの恥ずかしい部分が露呈する形となった。これは他社にとってもひとごとではない。フジテレビは悪しき慣行が存在する企業のひとつであるとされたが、どの企業も高みの見物ができる立場ではないのだ。
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