諦めが早い人と遅い人は、どちらがいいか。禅僧の枡野俊明さんは「諦めることで心の負担が軽くなり、ストレスが少なくなる一方で、諦めずに挑戦をつづけることは、成功の可能性を最大化させる。どちらがいいかは、仏教における『諦める』の意味を知れば、心にストンと落ちるだろう」という――。

※本稿は、枡野俊明『「し過ぎない」練習』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

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諦めが早過ぎる人の多くは、自己防衛感の強い人

仕事、学業、趣味、恋愛……、何ごとにおいても諦めるのが早過ぎる人がいます。

「どうせ、やっても無理に決まっている」「失敗すると心が折れるから、早くやめておこう」「私には高嶺の花だから告白はやめよう」などと、何もしていないのに、あるいはちょっとやりかけただけで諦めてしまう人です。

諦めが早過ぎる人の多くは、自己防衛感の強い人だと思います。失敗したり、傷ついたりするのが怖いから、「どうせ無理」と思うことで挑戦自体を避けているのです。挑戦しなければ失敗もありませんし、自分も傷つかないということでしょう。

しかし、諦めが早過ぎることには、いろいろなマイナス面があります。

まず最初に「自分には無理だ」と思ってしまうと、自分の力を信じることが難しくなります。「やればできるかもしれない」という気持ちを育てる機会が減ってしまい、自信がつきません。

さらに、自身の成長のチャンスを逃してしまいます。やりつづけることで得られるであろう知識や技術が身につかないままで終わってしまいます。