2025年3月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。政治・経済部門の第3位は――。
▼第1位 すでに中国による侵略は始まっている…国立大教授が危機感を覚えた中国人留学生による学会でのひと言
▼第2位 だから日本の若者は結婚も子供も望まなくなった…子育て支援策は3倍に増えたのに出生数は30%も減った理由
▼第3位 備蓄米放出で「5キロ2100円」に半減するはずなのに…「コメの値段」を本気で下げようとしない農水省の罪深さ
▼第4位 だから「コメの値段」は下がらない…「転売ヤーのせい」にしたい農水省と、「利権」を守りたいJA農協の歪んだ関係
▼第5位 「反リニア」の川勝知事のほうがマシだった…「推進派」知事がトップに立っても開通が「遠い未来のまま」なワケ
コメ価格が下がるかは農協次第
昨年夏、令和のコメ騒動が起きてから、3月10日やっと農水省が備蓄米を放出した。
これによってどれくらいコメの値段が下がるのか、マスメディアの人たちからさかんに質問を受ける。当面の価格の動きとして私は次のようにコメントしている。
農水省が備蓄米を売り渡すのは農協等の集荷業者である。価格低下を嫌がる農協が放出される備蓄米と同量のコメを売り控えると市場での供給量は増えず米価は下がらない。仮に21万トンと同量の供給増加があれば、現在60キログラム(一俵)あたり2万6000円の生産者米価(農協と卸間の相対価格)は半分の1万3000円に、小売価格は5キロ2100~2200円に低下。つまり、コメの値段は0~50%の範囲内で低下する。
もし農水省がその存在を主張する投機目的で買い占められている“消えたコメ”が価格低下を恐れて慌てて売り出されると、生産者米価は今の3割の水準(7500円)に暴落し、小売価格は5キロ1200円程度に低下する(以上は、流通マージンも生産者米価と同率で低下すると仮定した)。
なお、今年10月以降はおもしろい展開が予想されるので後ほど詳しく解説する。