ニューヨーク生活9年目、家族4人でコロナ禍を乗り越えた
フリーアナウンサーとして独立し21年、ニューヨーク(NY)で暮らすようになって9年目。その間にはコロナ禍で、夫、2人の娘と4人で自宅にこもるようにして暮らした日々もありました。
ニューヨークはコロナの感染者数が多く、ロックダウンの時期は、まるで映画の世界のように街中から人がいなくなって、ちょっと怖くなるような静けさでした。娘たちも家から一歩も出ない日が3カ月ぐらい続きました。その間は、娘たちとオセロをして遊んだり韓流ドラマを見たり、一緒にクッキーやクレープを作ったりして、なるべく家の中で楽しく過ごせるように工夫しました。
あのときはもちろん日本も、世界中がたいへんでしたよね。娘たちは学校や部活動に行けなくなり、長女は高校の卒業式が中止になってかわいそうでしたが、現在は無事に大学を卒業し、23歳になりました。16歳の次女は今まさに大学受験の勉強を頑張っているところです。
二人とも、コロナ禍を通して「何かを乗り越える力」は身についたかもしれません。それまでとは世の中が変わってしまって、人生には一筋縄ではいかない、自分の力ではどうにもならないことがあるという事実を目の当たりにしました。でも、そこを乗り越えて今があるという自信はついたと思います。
物事に取り組むとき、「もし、これがダメなら、次はこっちへ行ってみよう」という方向転換ができるようになったようです。たとえ一回上手くいかなくても「もうダメだ」と落ち込んでしまうこともなく、他の選択肢を探す“回避力”。例えば、やりたいことができなかったり、人間関係で悩んでいたりするときに、自分を鼓舞するやり方はわかったのではないでしょうか。
アメリカでは幼児でも小学生でも大統領選について考える
アメリカでは幼い頃から、自分で物事を判断するように促されます。わが家は2016年の大統領選でトランプ候補とヒラリー・クリントン候補が争ったとき、ニューヨークに引っ越しました。そのときびっくりしたのは、学校の授業で子どもたちが両候補の政策を議論するんです。小学生と高校生だった娘たちも、トランプVSヒラリーのテレビ討論会を食い入るように見るようになりました。「政治は決して自分から遠いものではなく、自分たちひとりひとりが国を作り、変えて行くんだ」という意識を、選挙権がない子どもの頃から持たせるんですね。
それは幼い頃から徹底していて、選挙の仕組みや大統領候補を説明する絵本まであります。今回の大統領選でも同じで、トランプ候補とハリス候補のことを子どもにもわかるように紹介した絵本が出ていました。