1000人の社会人男女がぶっちゃけた、今どきオフィスの鼻つまみ者アンケート。その結果、浮かび上がった「困った上司・部下」の生態は予想以上にひどいものだった。「職場の困った人についてのエピソード(自由回答)」(図1)で際立っていたのは、壊れた上司の実態だ。
例えば「デスクの下で猫を飼う男性上司」。その傍若無人さは理解不能だ。臨床心理士で組織にはびこるパーソナリティ障害に詳しい矢幡洋氏も目を丸くした。
「一見かわいいのですが、公共のものを私物化する反社会的性格を感じます。ばれることがわかりきっていることをやるところ、『誰も怖くないぞ』という虚勢、『オレの大胆さはどうよ』という反社会性の表れでしょうか」(矢幡氏)
「仕事を途中で放り、トイレでタロット占いをする女性上司」もかなり怖い。
「上司になるほど孤独に決断を下さざるをえなくなり、プレッシャーも大きくなる。経営者が自己決定の重圧から逃れようと風水で方針を決める行為に近い心理かもしれません」(矢幡氏)
全体の傾向として、「困った上司・部下」のタイプを見てみよう(図2)。矢幡氏は、嫌われ上司の傾向の激変ぶりを指摘する。
「これまで部下が最も手を焼いたのは、怒鳴ったり罵倒したりするパワハラ系上司でしたが、このタイプは姿を消して、弱虫系や自己チュー系が上位を占めています。上に立つ者として難ありです」
困った上司1位はいかにも弱虫なダダっ子型。一貫した意見や主義はない。ないのに、部下の案を素直に通したくない。「ああ言えばこう言う」ひねくれ者で、朝令暮改が得意だが、「結局どうするか決断力がないのが弱点」(矢幡氏)。