経費節減にも限界。テレビ業界の給与低下続く

テレビ各社の平均給与が下げ止まらない。在京キー局5社中で58万円と下げ幅が最も小さい日本テレビ放送網は、2010年3月期決算で経費節減の徹底で、抜きん出た黒字を確保した。しかし、制作費の切り詰めが、番組の質の低下→広告の減少という事態につながりかねないだけに、決して楽観はできない。

電力、ガス……景気低迷が直撃
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電力、ガス……景気低迷が直撃

一方、5社中で最も深刻なのが114万円と大幅減の東京放送HDで、本業のテレビ事業で唯一営業赤字計上を余儀なくされた。不動産収益に頼らざるをえない状況に置かれており、住宅設備最大手の住生活グループに、毎年20億円の赤字を出していたプロ野球球団・横浜ベイスターズの売却に乗り出すなどてこ入れを図ったが、住生活グループとは合意に至らず、球団保有を継続する。

スポット広告は景気変動の影響を直接受けるが、タイム広告は番組の魅力に負うところが大きい。各社ともに経費削減を迫られる中にあって、財布のひもを固く締めているスポンサー企業を説得するに足るコンテンツを提供できるか。テレビ各社は正念場を迎えている。長らく高給業種の代名詞だったテレビ業界だが、給与水準是正の流れはいまだ収束しそうにない。

携帯電話市場は09年度の国内出荷台数が前年度比12.3%減で2年連続のマイナス成長。超成熟マーケットで、キャリア3社が熾烈な競争を演じている。

給与は3社ともほぼ横ばいだが、直近のデータではソフトバンクの2010年9月の月次契約数が純増30万台を突破。対して眼前のライバルであるKDDIのauは10万台弱にとどまっている。累計契約数ではauの3229万台に対して2347万台と差は大きいが、着実に追い上げモードに入ってきたといえる。

広告最大手の電通は159万円の大幅減も1118万円の高給に変わりない。会社側は2010年10月以降のタイム広告に底打ち感が出てきたとしているが、プロモーションなど非マスメディア分野に活路を求めている状況だ。

ひときわ目を引くのが、301万円増の衛星放送最大手スカパーJSATHD。加入者獲得数、ハイビジョン放送対応のHDへの移行が想定を超えるペースで続いており、好業績が給与に素直に反映された格好だ。新聞各社も発行部数減が続く状況下で、そろって給与水準を切り下げている。テレビ業界同様、ビジネスモデルの抜本的な見直しを迫られているが、突破口が見出せない状況だ。

※すべて雑誌掲載当時