「かわいそうじゃねーかよ!」
光GENJIが解散した際には、若くしてグループがなくなった、自分より1歳年下の佐藤アツヒロの将来を慮り「ふざけんなよ! あいつは10代でデビューして、まだ22でいきなりやめるってハシゴ外されてさ……かわいそうじゃねーかよ!」と事務所の人間に対して激怒していたともいう(JFN「V6 Next Generation」2017年8月12日放送)。若い頃から近年に至るまで、“仲間を守るため”に進言する姿勢は一貫しているのだ。
また、中居は、2023年には男闘呼組のラストライブツアーにも駆けつけてステージ上に上がってマイクを握るなど、先輩との交流も続いていた。前田耕陽は、男闘呼組のメンバーを中心にしたバンドRockon Social Clubのメンバーに迎え入れたい人を聞かれ、中居の名前を挙げていたほどだった。(文化放送「おとなりさん」2023年3月28日放送)
自身が事務所を退所しても、先輩とも後輩とも交流を続け、その架け橋になり続けたのが中居正広だったのだ。奇しくも、この件でお蔵入りになったとされる「だれかtoなかい」が、V6の岡田准一、田原俊彦、少年隊の植草克秀が出演するものだったというのも象徴的だ。
週刊誌は「性加害」とは書いていない
ここにあえて、中居の“白”の部分を記述した。だが、その白は今回問題になっている“黒”を帳消しにするためのものではない。薄めようとも思っていないし、薄まるものでもないと思っている。
ただひとつ言いたいことは、中居が抱えている“黒”の本当の中身を知っている人間はこの世にどれくらいいるのか、ということだ。中居側が1月9日に発表した文書に書かれているのは「トラブルがあったことは事実」「手を上げる等の暴力は一切ございません」ということのみであり、それがどんな種類のトラブルなのかすら、当事者の言葉としては説明されていない。
あるのは週刊誌の報道と、それに追随するマスメディアの報道、そしてネット上での声である。
最初に報じたのは『女性セブン』(2025年1月2日・9日号)で、そのときのタイトルは「中居正広 巨額解決金 乗り越えた 女性深刻トラブル」だ。ここでは「2人の間に深刻な問題が発生し、トラブルに発展してしまった」という関係者の発言はあるものの、実際に何が起きたか、そしてそれが性的なものなのかも書かれていない。そしてタイトルからして過去の話であり、中居が“乗り越えた”という立て付けである。