好きで好きでしょうがない異性への恋愛アプローチをテレビでもお馴染みの新進気鋭の心理学者に伺った。

男は選ばれるもの、女は選ぶもの

臨床心理学者 植木理恵さん

新しい出会いの場。そこそこ感じのよい異性を前に、それなりに話も弾んでいる。それなのにどうしてもそこから先に発展しない。単なる「いい人」で終わってしまう。そんなパターンを繰り返している人はいませんか。

恋愛に発展するか、それともただの友達で終わってしまうのか、はたまた不倫やワンナイトラブで「さようなら」になってしまうのか、見極めるコツは最初の出会いの瞬間から明らかです。恋愛の場において、男が出すサインと、女が出すサインは明らかに別もの。その差をしっかり理解しておけば、相手が自分のことをどのポジションとして考えているのか、予想することは可能です。

「フィメールチョイス(female choice)」という言葉、どこかで耳にされたことがあるかもしれません。動物界においては、オスが求愛活動をし、メスがそれを選びとるのが自然のあるべき姿。フィメール(メス)がメール(オス)をチョイス(選択)する――その法則に則り自然淘汰は行われてきたのであり、生物としての恋愛はそれが本来の姿なのです。

クジャクを思い浮かべてみてください。美しく長い翼を広げ魅惑的な姿で優雅に歩いているのはメスではなく、オス。メスはそのオスの姿から、自分が育む子の親となるべきはどのオスが最適なのか選択しているのです。その他自然界においては、オスがメスの気を引くために特別なダンスを練習したり、鳴き声をたてたりする方法が限りなくあります。

なかには、こうおっしゃる人もいるかもしれません。人間は動物とは違う。人間は高度に社会化された生物なのだから、もっと複雑な恋愛感情で動いているはず。実際に女は男に選ばれようとして化粧をして着飾っているじゃないか。選んでいるのは女ではなく男のほうだ、と。