もともと、学生時代に「ヨシカワ君!」と森田健作(現・千葉県知事)のモノマネをやるなど、ひょうきんな面はあった。会見でも、「僕なんか女子寮に閉じ込められているような状況なんですけど」と言って笑わせた。

とはいえ、一流の女子選手を相手にするのは至難だ。「東洋の魔女」を率いた大松博文とは時代が違う。

「そもそも僕のような年齢の男性と若い女性たちとの話なんて、かみ合わなくて当たり前だ。場を和ませるつもりで言ったジョークが、『古い』『ダサい』と冷たくあしらわれることならいくらでもある」(『なでしこ力』)

そんな仕打ちにもめげず、チームの勝利のため、さらには日本の女子サッカーの存在感を上げるため、いまも佐々木はジョークを考えている。

優勝後の会見は爆笑の連発

【記者】キャプテンとしてまとめるにあたって心がけたことは?

【澤】中堅の選手が、下の選手を引っ張ってくれたおかげです。

【監督】あと大きいのはね、僕の練習量のコントロール、これが大きいんです。(会場笑)

【澤】そうですね、ありがとうございます。(中略)監督と信頼関係を築き上げられているので、そこは今回の大会を通してよかった点の1つでもあります。

【監督】マルだ。(会場笑)

【記者】澤キャプテンと各ポジションを代表して海堀さん、熊谷さん、宮間さん、大野さんに聞きたいんですが、この大会を通して、佐々木監督の改めてすごいなと思った部分、あるいは学んだことなどを教えてください。

【監督】エントリーした人材がよくないよ。

【大野】学んだこと? 特に……。(会場笑)おやじギャクを言っていたことぐらいしか……。