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ソニー社長兼CEO 平井一夫(ひらい・かずお)
1960年生まれ。国際基督教大学卒。84年CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社。ソニー執行役などを経て2011年に代表執行役副社長。12年4月1日付で社長に昇格。


 

「ソニーは危機的な状況にある」と率直に述べた後で「変わるのは今しかない。社員と本気で一丸となって変えていく」と力強く宣言。平井一夫社長が就任以来「One SONY(ワンソニー)」を掲げて復活の狼煙を上げてから間もなく1年になる。

世界で約1万人のグループ社員の大量リストラに次いで、成長が見込めない化学事業などを譲渡。米国本社などが入居するニューヨーク市のマンハッタンにある36階の自社ビルや、2011年3月に完成したばかりの東京・JR大崎駅前のインテリジェントビル「ソニーシティ大崎」も売却した。

さらに、保有株の売却では子会社で医療情報サービスのエムスリー株の一部をドイツ証券に売却したのに続き、3月に入ってからはディー・エヌ・エー(DeNA)株すべてを野村証券に譲渡したことも明らかになった。

それらの売却益はざっと3000億円。リストラ費用のほか、オリンパスへの出資やソネットの完全子会社化など成長分野への投資を差し引いても十分にお釣りが出る。12年3月期連結決算では最終損益が過去最大の4566億円の赤字を計上したが、13年3月期は円安傾向も利益押し上げ要因となって5年ぶりの黒字転換を見込んでいる。ただ、テレビ事業など主力のエレクトロニクス部門は相変わらず赤字を続けており、“過去の遺産”整理で得た効果が大きいことは言うまでもない。

そんな中、昨年までの約7年間、ソニーの経営のトップを務めたハワード・ストリンガー取締役会議長が6月に退任し、すべての役職から身を引く。ストリンガー氏は、平井社長について「ソニーをリードするのに必要なスキルを持っている」と評価するが、後ろ盾がなくなる平井社長の手腕には、改めて厳しい視線が注がれている。

(写真=PANA)
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