ケースバイケースで取捨選択を
上司から、「この仕事は今日中に頼むね」と言われたら、その理由をリサーチしてみることです。
納期が迫っているのならば、素直に従うのが賢明ですが、「昨夜、飲みすぎたから早く帰って寝たい」のであれば、スルーするという選択肢が生まれます。
上司の期待に応えなくても、会社をクビにはなりませんが、出世には影響します。
自分の行動は、出世をモノサシにするかどうかで判断することができます。
相手が夫や妻などのパートナーであれば、相手の期待に応えないと、離婚を切り出される可能性があります。
離婚したくなければ、どうしたら期待に応えられるかを考え始め、それでもいいならば、無視することもできます。
少し極端な例を挙げましたが、大事なのは、すべての期待に無条件に応えようとするのではなく、それに応えなかったら、どんなことが想定されるのかを見極めて、ケースバイケースで取捨選択することにあります。
物を考える習慣を持っているかどうか
東大や京大を出ているお笑いタレントを「インテリ芸人」と呼んで珍重するなど、日本人は人の学歴に過剰反応する傾向がありますが、学歴コンプレックスというのは、自分と他人を比べて劣等感を感じるだけのことですから、そこから何かが生まれることはありません。
日本の学校教育は「知識偏重」のため、どうしても知識を重視しがちですが、大事なのは知識の量ではなく、考える量にあります。
私がたくさんの本を出版できるのは、知識が豊富なわけでも、東大を出ているからでもないと思っています。
物を考える習慣を持っているから、他の人と違うことが言えることに尽きると自己分析しています。
自分らしく生きていくためには、「考える力」を鍛えることが不可欠なのです。
考える力とは、「計算する力」と置き換えることができます。
計算する力には、次のような二つがあります。
①「展開」を読む力
この先の可能性を予測して、2手先、3手先の展開を読むことです。
展開を読むことによって、それに応じたソリューションを準備できます。
②「可能性」を読む力
この先の可能性を推理して、幅広い選択肢を考えることです。
選択肢の幅が広がることで、さまざまなケースを想定したソリューションを用意することができます。
この二つを意識することによって、計算の「奥行き」と「幅」を広げることが可能になります。