「読むこと」への執念、眼鏡を取り上げられても本を開く

拘置所での唯一の楽しみは読書だった。午後四時四十分の夕食後から午後九時の就寝時までは貴重な読書の時間に当てた。

足繁く訪ねてくれた友人たちが差し入れてくれた本をむさぼるように読んだ。ありがたいことに、ほとんどの人が差し入れの上限である三冊を持ち込んでくれた。またたく間に部屋の隅は既読の本と未読の本で山積みとなった。

消灯時間には照明が落とされるが、かろうじて読書できる明るさはあった。本来は書くことも読むことも許されない。かまわず本を開いていると、すぐに看守が飛んできて眼鏡を取り上げられた。