最低限チェックしておくべき4項目

親の財産といっても様々なものがありますが、まず、次の4つは最低限、絶対に確認しておきましょう。

【図表1】親が元気なうちに確認すべき4つのチェックリスト

上記は、もし親が亡くなった際には必ず確認しなければならない事項です。これらがわからないと、相続すべき財産がいくらなのかも分りませんし、親族、きょうだい間での分割協議も一向に進みません。

親が亡くなったあとに家中の物をひっくり返すだけでも相当大変なはずです。これは非常に現実的な話で、相談に来られた多くの方が、「通帳や印鑑などの在りかがわからない」と口にされています。

では、ここからは4項目について、お客様から聞かれたときにお伝えしている“具体的にチェックすべきポイント”を説明していきます。

どこの銀行・証券会社に口座があるのか

1.銀行・証券口座

銀行口座は、「金融機関」「支店名」「口座番号」と「調べた時点での残高」を一覧にしておきましょう。

長らく使っていない口座は、親が元気なうちに解約の手続きを進めてもいいかもしれません。キャッシュカードの暗証番号は安全なところに保管します。外に持ち出さないノートに書いておくのもおすすめです。

ただ、家族だからと本人から暗証番号を聞いてキャッシュカードを使用するのは望ましくありません。「生計を一にする」という条件はありますが、可能であれば「代理人カード」を作っておくと、本人に代わってATMでの引き出しができるので便利です。

通帳記入が終わったら、引き落としされている内容もチェックしましょう。

相談に訪れた方の中には、水道光熱費の推移を見て「水漏れが発覚した」という方や「親が夏場にクーラーをつけていなかった」ということがわかった例もありました。親が何にお金を使っているかだけでなく、実家や親自身の動向を把握するのにも役立ちます。