自衛隊で使われる車へんに「ト」の漢字
あと、他の学問との比較という点だと、順番を守らなくても学べるのも漢字の強みです。数学や物理がそうだと思うんですけど、順を追って勉強していかないと難しいことを理解できませんよね。足し算や掛け算を飛ばして線形代数を学ぼうと思っても無理じゃないですか。
でも漢字はそれができるんです。幼稚園児が、大人が知らないような難しい漢字を覚えてもいいんです。実際、小学生の頃の僕はステップを飛ばして義務教育では習わないような難しい漢字を覚えて楽しんでいました。そういうことは他の学問では難しいですよね。
それから、漢字はとても数が多い。現時点でもものすごい数がありますから、いくら覚えても飽きることがないのもいいところです。
現時点、と言ったのは、実は漢字は今も増えているからです。「漢字認定委員会」みたいなのがあるわけじゃないですけど、広く使われるようになって辞書に載るようになれば、「新しい漢字として認められた」と言っていいのではないでしょうか。
最近の例だと、これはまだ漢字として認められたとは言い切れないんですが、「トラック」という漢字が新しく出てきました。車へんに「ト」で「トラック」と読ませることがあるようです。これは自衛隊で使われたらしいです。
新しく作られる漢字もある
他にも、有名なところでは元素を表す漢字は今も増えていますね。リチウムは「鋰」(※注1)、フッ素は「氟」(※注2)というふうに元素にはすべて漢字表記があるんですが、新しい元素が見つかるたびに中国ではそれを意味する漢字が作られます。
※注1:金へんに里で「鋰」
※注2:気の「メ」部が「弗」で「氟」
最近だと2016年に、原子番号113の元素が「ニホニウム」と名付けられてニュースになりましたが、ニホニウムに対しても「鉨」(※注3)という漢字が作られたことをご存じでしたか?
※注3:金へんに尔で「鉨」