「メール整理」をスケジュールに組み込む
ここで示すシステムに切り替えるには、一度だけ初期設定をする必要がある。まず、受信トレイにある処理が必要で未対応のメールをすべて「要返信」「読むだけ」「あとで確認」のどれかのフォルダー/ラベルに振り分ける。
その後、残りのメールは一気にアーカイブするか削除する。これらのアクションが必要でないメールは、受信トレイに残しておかない。
毎日決まった時間(私は朝がいいと思う)に、受信トレイのメールを整理し、新着のメールをこれら4つのアクションに振り分ける。Gmailの場合には、後続のメールに自動的に移動する「自動表示」機能やキーボードショートカットを活用してすばやく処理できる。
この時間はメールを仕分けるための時間と考え、もし返信するなら、3分以内に終わるメールだけに返信する。この仕分け作業にかかる時間は、あらかじめ1日のスケジュールに組み込んでおこう。
「受信トレイゼロ」を維持することが重要
受信トレイの中身を「洗濯カゴ」に空けるアクションを私は「受信トレイゼロ」(乾燥機が空の状態)と呼んでいる。すべてのメールが取り出され、仕分けされた状態だ。これで、それぞれのメールに対して何をすべきかが明確になり、「未来の自分」をサポートすることができる。
メールを開いたのに再び未読に戻してしまったら、あとでそのメールを再び開いて扱いを判断しなければならないため、「未来の自分」を苛立たせることになる。エネルギーポイントの無駄遣いでもある。「ええと、このメールは開いたっけ?」「返信したかな?」「何をすべきだったっけ?」と迷ってしまい、結局同じメールを何度も開く羽目になる。
「受信トレイゼロ」を達成したら、1日のなかで時間を確保し、「洗濯カゴ」を個別に処理する。このとき、各カゴの中身に対して何をすべきかだけを考える。たとえば、「要返信」カゴにあるメールだけに集中し、ほかのことはすべて無視し、返信のみをおこなう。メールを読むためにスケジュールした時間では、読むべきメールだけに集中する。
受信トレイには、最後に仕分けした時点以降に届いた新着メールだけが入っているはずだ。1日に2〜4回ほど追加で仕分けし、「受信トレイゼロ」の状態の維持を心がける。
メールにせよ洗濯物にせよ、「カゴ」に分けることで一括処理の恩恵が得られる。同じ種類の処理をまとめれば、作業の流れができて効率が高まり、使うエネルギーポイントも少なくて済む。シャツを5枚連続で畳むと、慣れてきてどんどん手際がよくなる。
メールについても同じで、返信するなら返信する、読むなら読む、の作業を5通連続でおこなうほうが、1日のバラバラの時間帯にぽつぽつと1通ずつ処理するよりも、集中力が高まり、効率もアップする。