マイコプラズマ肺炎の抗菌薬は途中でやめてはいけない

またニュースでも大きく報道されていますように、マイコプラズマ肺炎が8年ぶりに大流行しています。特に今年の6月以降、患者数は増加傾向にあり過去最多レベルの勢いです。マイコプラズマ肺炎はインフルエンザのようなウイルスが発症原因ではなく、「肺炎マイコプラズマ」と名付けられた細菌に感染して発症します。インフルエンザと異なり、潜伏期間が長く、感染してから2~3週間の潜伏期を経て、発熱や倦怠感といった初期症状が表れ、解熱後も咳が長く続くことがあります。

感染力はインフルエンザほど強くないものの、濃厚接触によって感染が拡大する傾向があります。そのため、集団生活をしている子供や若い世代が感染することが多く、そこから家庭内へと広がっていくことが多いようです。

マイコプラズマ肺炎には有効なワクチンはなく、治療には原因菌を死滅させるための抗菌薬による薬物療法が行われます。主にマクロライド系と呼ばれる種類の抗菌薬が用いられますが、2000年代にはマクロライド系の抗菌薬が効かないマイコプラズマが多く出現するようになり、ほかの種類の抗菌薬が必要になることも少なくありません。抗菌薬は通常3~14日分処方され、その間服用することが推奨されています。

症状が軽快した後も、体内に菌が残っている可能性があります。菌が完全に死滅する前に抗菌薬の服用を中止すると、細菌が耐性をもってしまい、将来的に抗菌薬が効かなくなる恐れがあります。薬は自己判断でやめることなく、医師の指示に従って、決められた用量用法を守るようにしましょう。

体調の悪いビジネスマン
写真=iStock.com/takasuu
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感染症を予防する基本的な5つの対策

感染症については予防策をしっかりと実施することが重要です。基本的な5つの予防対策を大切にしましょう。

①手洗い、うがいをする
②室内を適度な湿度に保つ

加湿器や洗濯物を室内干しするなどして、50~60%を保ちましょう。

出張時には、ホテルの湯船にお湯を溜めるなどの工夫をされるとよいでしょう。

③人混みや大勢が参加する行事などでは、マスクを着用する

感染を広げないためにも、ご自身を感染から守るためにも、マスクを着用すべき時があります。

④こまめに換気する

2方向の窓を開けると効果的ですが、換気扇も有効です。定期的に換気を行い、空気のよどみを解消しましょう。

⑤免疫力を上げる