彬子女王が聞き手をつとめたオーラルヒストリー

まず、この本の編者は「三笠宮崇仁親王伝記刊行委員会」となっているが、その委員長をつとめたのは、今話題の彬子女王である。彬子女王は三笠宮夫妻の孫にあたる。

皇族が委員長だということになると、名目だけという印象を受けるかもしれないが、彬子女王はオックスフォード大学で博士号を取得した歴史学の研究者である。したがって、先頭に立って伝記刊行の実務にあたっている。

彬子女王は、百合子妃に対する談話の中心的な聞き手にもなっている。しかも、それを「オーラルヒストリー」と位置づけている。対象者にインタビューを重ねる聞き書きは、それぞれの学問分野で昔から行われてきているが、昨今では、とくに政治学の世界で注目され、実践されるようになってきた。彬子女王も、そのことを踏まえ、談話をあえてオーラルヒストリーと呼んでいるに違いない。