言われてとても辛かった「あなた、本当に使えないね」

しかし私は、「このパターンな!」と呟き、事態を客観視。そのままスピーチを続けました。審査員に聞こえていようが聞こえていまいが最後までやりきろう、と決めたのです。

この判断は正解でした。画面は真っ暗でしたが声だけは最後まで聞こえていたそうで、トラブルにも動じずやりきったその姿勢が評価点に繋がり、予選を通過することができました。ちなみにこのスピーチコンテストでは、本選で優勝することができました。

仕事において、予期せぬ要求をされることもあれば、予期せぬトラブルが起きることもあります。そんなときこそ、「このパターンな!」と呟き、自分自身に起きた状況を一度冷静に客観視してみてください。不思議とどんなトラブルにも、めげずに立ち向かうことができますよ。

私が言われてとても辛かった言葉で、「あなた、本当に使えないね」という言葉があります。

自分の存在が役に立たないと言われて、申し訳なさと悲しさと情けなさで消えてしまいたくなったことがあります。みなさんも、もしかしたらこのような言葉を投げかけられた経験があるかもしれません。

発達障害を持つ人は、その特性ゆえに、仕事場の人間関係で辛い経験をしている人がとても多いです。いじめられた経験がある人もたくさんいます。今現在、とても辛い状況にある方もいるでしょう。

バラバラのキーキャップ
写真=iStock.com/clu
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あなたをピカピカに磨く魔法の言葉

人間関係のトラブルほど、心を蝕むものはありません。あなたを思って注意してくれる人の言葉は受け入れるべきですが、あなたの人格を否定するようなことを言われたとしたら、ただちにその人からは離れるべきです。

想像力に欠け、相手の立場に立って物事を考えることのできないしょうもない人の言うことなど、気にしなくて構いません。

アメリカの俳優で、作家でもあるクリス・コルファーの名言を紹介します。「何度も何度も傷つけられたら、相手を紙ヤスリだと思えばいい。多少かすり傷は受けれど、自分はピカピカになり、相手は使い物にならなくなる」

辛い経験は、必ずあなたの力になります。辛い経験をしてきた人は、辛い人の気持ちがわかります。傷ついている人の存在に気づくことができます。優しく寄り添える人になれます。紙ヤスリより、よっぽど強くて優しい心を持っています。

私たちは十分に傷ついてきました。もうピカピカに磨かれているのです。もしあなたが今、誰かに攻撃されているとしたら、あなたがピカピカに光っているから、眩しくて、羨ましくて、相手は攻撃してくるのかもしれません。

あなたを攻撃する人には、「磨いてくれてありがとう」と心の中で呟きましょう。ただの紙ヤスリは、そのうちボロボロになっていくので、放っておきましょう。