医療・介護業界からの人材流出が進み、介護サービス難民が発生
いまから十数年後の2040年ごろには、だれの目にも明らかなくらい「人手不足による基本的な社会生活インフラの綻び」が広がってくる。古屋星斗らの著書『「働き手不足1100万人」の衝撃』によれば、その表題にもあるように今後あらゆる分野で人手不足が深刻化し、社会全体で見たときには1100万人もの労働力不足が発生する。数少ない希少な資源となった(若い)人的リソースを、社会のありとあらゆる業界や企業が取り合う、熾烈な争奪戦が繰り広げられることになる。
人手不足にともなうインフレと賃金上昇は加速していくため、制度によって報酬面がおおよそグリップされている医療・介護業界からは人離れが加速することにもなる。もうすでに介護業界からの人材流出の兆しは見えてきている。介護事業者が「人手不足による倒産」に追い込まれるケースが続出してきているが、今後はそうした動きがますます活発になってくる。
むろん、人びとが空前の売り手市場を追い風にして、よりよい仕事を求めて移動することは憲法で保障された自由である以上、止めることはできない。それ自体、市場競争の原理が正常に働いた結果ともいえよう。医療・介護業界はあらゆる業界の労働需要が高まるインフレ局面においては若くて優秀な人材がどんどん失われることは避けられないため、人的リソースを奪い合う時代ではどうしても「負け組」になってしまう。
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