愛車がバブ子めがけて走ってくる…
仕事でへとへとになって帰宅した妻に毎晩毎晩、
「今日は実家からお金もらってきたか?」
夫は問い詰めるようになりました。
そんなこんなで夫への嫌気がどんどんたまっていったバブ子さん。頭に「離婚」の文字がよぎり、弁護士に相談を始めます。
そしてとうとう、事件が起きたのでした。
いつものようにバブ子さんが塾で業務をこなしていると、
「金もらってきたか?」
いつものように夫から電話がかかってきました。相手にしないで切り、そのまま放置。夜遅くなってから仕事場でスマホを覗くと、ダダダダダダと何十件もの着信履歴が。
「やばい!」
何でお金もらってこない?! 鬼の形相で送信ボタンを押し続けるジュンイチの姿が目に浮かび、急いで帰宅しようと塾の近くの駐車場に向かいます、すると向こうから停めてあったはずの愛車が彼女めがけて走ってくるではないですか。運転席には、ジュンイチ。どうやら彼はスペアキーを使って乗り込み、彼女を待ち伏せていた模様……。
身の危険を感じたバブ子さんは仕事場に逃げ込み、鍵を閉めました。
「アケろ!」
追ってきたジュンイチは、大声でドアを叩き続ける。これはもうお巡りさんに頼るしかない。バブ子さんは警察を呼びます。
拘置所帰りの夫と離婚成立
ここで、ジュンイチの免許不携帯が発覚します。逆上のあまり免許証を持って出るのを忘れたのでしょう。
「とりあえず署に行きましょう」
駆けつけた警官に、あえなく連行されていったのです。
行動力抜群のバブ子さんはその間に新しい家を探し、荷造りへ。離婚に関する手続き一切は弁護士に任せ、一人娘を連れて家を出たのでした。
拘置所を出て数日ぶりに家に戻ったジュンイチは、テーブルの上に置かれた弁護士の書面を目にすることになります。
「警察に捕まったのが、よっぽどショックだったんでしょうね。しょげちゃって、揉めることなく離婚はすんなり成立しました」
間に入った弁護士も驚くほど素直に離婚に応じたといいます。
それ以来、バブ子とジュンイチはお互いに会っていません。
「コレクター気質は、なんか、ヤダったけれど、自分のお金の範囲でやっている分にはまだよかったんです。ただ、巻き込まれると、ちょっと……」
離婚成立をきっかけに、バブ子さんは事業を援助してくれた男性A氏と仲を深めてゆきます。