マイナスの未来もきちんと提示する
【損】今すぐ着手すべきです→【得】遅れるとこれだけコストが増加します
マイナスの未来をきちんと提示する。一見、提案の場では逆効果に見えます。ですが、提案をジャッジするためには利点と欠点の両方を見ることが不可欠なはず。
どうしても提案の場では、良い面ばかりを強調しがちです。ですが、必要な情報を提供するという意味でも、損を伝えることで提案のメリットを強調することができます。
人は得をすることよりも損を避けたいという「損失回避性」があります。ノーベル経済学賞を受賞した心理学者のカーネマン氏とトべルスキー氏は、同じ額の利得を得るときの喜びに比べて、損失を被る悲しみは2倍であると述べています。失うことへの恐怖は、それほど大きいのです。
例えば、「今月中に導入すれば、年間コストを20%削減できますが、遅れると来月からの繁忙期に間に合いません」といった未来を知ると、早期の行動の重要性がより強く伝わります。
導入の価値だけでなく、導入しないときに失われる価値も訴える。スイッチを切り替えるように、プラスとマイナスの切り口を自由に伝えられるように意識してみましょう。