No.1の基礎代謝量を誇る「肝臓」

肝臓は脂肪をためやすい一方で、その脂肪は落としやすい特徴があります。皮下脂肪より、内臓脂肪より、肝臓の脂肪が一番先に落ちていくことがわかっています。

さらにうれしいことに、脂肪肝が改善すれば、ありがたいおまけがついてきます。それは、寝ていても脂肪が燃える“やせやすい体になれる”ということ。

私たちが生きていくために最低限必要なエネルギー代謝が「基礎代謝」です。安静状態での呼吸や心拍、体温維持、細胞の修復などに消費されるエネルギーのことです。この基礎代謝の中で、エネルギー消費がもっとも多いのが肝臓なのです。

肝臓は24時間365日、エネルギーを使い続けて栄養素を分解・合成し、代謝の中枢を担っています。そのため、肝臓から脂肪が落ちれば基礎代謝がおのずと上がり、寝ていても勝手に脂肪を燃焼できる体質になれるということです。

“水分の摂り方”を変えれば肝臓から脂肪が落ちる

肝臓から脂肪を落とすためには食事を制限したり、運動をしたりしなければならず、「なんだか大変そう……」と思いがちです。しかし、ガマンせず、お金もかからず、効率よく代謝を促して、脂肪を落とす方法があります。

それが、「1日1.5Lの水を飲む」ことです。

私たちの体の55〜60%は水分が占めています。血流の多い肝臓にはさらに多くの水分が含まれます。しかし、脂肪組織の水分含有率は33%程度。つまり、体に脂肪が増えると水分含有率が減っている状態に。脂肪が多い人はやせている人よりも蓄えている水分量が少ないのです。これと同様のことが肝臓でも起きています。

忙しくて水分を摂取する時間がない、水を飲んだら太りそうという理由で水分摂取量が少ないと、体は脱水状態となって、代謝機能は低下します。その結果、エネルギーを消費しにくい“太りやすい体質”になってしまうのです。

成人は1日で平均、尿や便から1.6L、呼吸や汗から0.9Lの合計2.5Lほどの水分を失います。一方で、食事から約1.0Lの水分を摂取でき、体内で作られる水が300mlほどあるため、摂取すべき必要最低限の水分量は1.2Lということになります。

ただ、肝臓から脂肪を落とすには1日1.5Lを基準にするのが理想です。

というのも、水を飲むことで一時的に代謝率が上昇し、エネルギー消費が増加することが科学的に証明されているから。さらに、腸の動きも活発になるため、便秘の改善にもつながります。排泄機能が高まれば、脂肪を落としやすくなるのは当然のことです。