年金未納者は3.5割から1割へ
厚生労働省の令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況によると、年金保険料の未納者は約1割います。
「1割もの人が保険料を払っていない? やっぱり年金制度は危ないのでは?」
不安になる気持ちはわかります。
以前は35%の人が未納だったそうです。それに比べればかなり改善はされましたが、1割は多いですね。でも、この1割は国民年金の未納者です。
第2号被保険者の会社員など厚生年金の加入者は、給与から天引きされるため、未納者はほとんどいません。また、第3号被保険者の専業主婦などは、そもそも保険料の納付がないため、未納にはなりません。
第1号被保険者のうちの約1割が未納者です。ただ第2号被保険者を含めた全体で見れば、年金の未納者は1%未満ですので、これによって年金の財源が傾くとは考えにくいのです。
自分でお金を積み立てたほうが賢い選択なのか
日本の年金制度は賦課方式です。
現役世代が納めた保険料は、現在の高齢者の年金に使われます。いま、保険料を納めている人が高齢者になったときは、次の現役世代の保険料から年金を受け取ります。
賦課方式は「仕送り方式」と言ったほうがわかりやすいですね。
「年金制度は当てにならないから、自分のお金を積み立てて、それを受け取ったほうがいいのではないか」
そういう意見もあります。
しかし、自分で積み立てたお金を受け取るとき、インフレになっていたらどうでしょう。20年間積み立てている間にインフレが進行し、お金の価値が半分に下がってしまうかもしれません。これでは暮らしていけないですね。
賦課方式は物価や現役世代の所得に連動しているので、支給額も変わります。もちろんマクロ経済スライドで調整はありますが、インフレには対応できています。
多くの先進国がこの賦課方式を採用しているのも、そういった理由があるからです。