2010年は、葬儀への意識が大きく変わった年で、各メディアで毎週のように葬儀特集が組まれていた。
しかし、どれだけの人が葬儀を「自分のこととして」具体的に考えているだろうか。いくら情報が入手しやすくなっても、他人事として流してしまえば「知らない」と同じで、いざというときの葬儀費用にも大きく影響する。
現在、都市部で会葬者100名規模の一般的な葬儀を行うと、葬儀にかかる費用の総額は250万~300万円程度が相場。しかし、ポイントさえ押さえれば、100万円近く節約することも可能なのだ。
実際に、無駄を省くための準備をしたAさんと、準備しなかったBさんの葬儀費用を比較してみよう。ともに、親族20名、会葬者100名、仏式葬儀で供花20基のプランとする。
Bさんは葬儀社が提示するセットメニュー(白木祭壇と棺で70万円)を選んだ。この場合、祭壇のランクによって棺なども自動的に上がっていることが多い。一方、Aさんは60万円の花祭壇と8万円の棺を別個に注文。セットの場合も、各項目を確認し、棺のランクを下げるなどのコントロールができた場合、それだけで数万円の節約も可能となる。
さらにAさんは外部からいただく供花を花祭壇に使う「花祭壇の供花組み込み」を利用。供花一基ごとに1万5000円が花祭壇に相殺できるため、20基組み込んで30万円分の祭壇の費用を節約できた(対応していない葬儀社も多いため、事前に対応可能な業者を選んでおく必要がある)。ここまでの「葬儀一式」だけで、AさんとBさんには30万円強の差がついた。
会葬者に通夜振る舞いを行う地域では、祭壇に次ぐ出費が通夜料理となるが、Aさんは70人前(25万円)、足りないことを恐れたBさんは130人前(35万円)を発注。実際、会葬者は口を付ける程度なので、[親族の人数]+[予想会葬者の半数]という計算で十分なのだ。