クープマンの
市場シェア“26.1%”取れなければ即撤退

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クープマンの目標値

クープマンの市場シェア下限目標値として知られている数字です。これは軍事理論であるランチェスター戦略を市場における競争に置き換えて数値化したもので、シェアが26.1%あれば市場に強い影響力を持てると言われています。

この数値は数式によって導き出されたものですが、私は26.1%という数字にこだわる必要はないと思っています。市場でベスト3に入ることが大切だと考えています。

ここでクープマンの下限目標値を出したのも、26.1%あれば絶対に上位3社以内に入るからです(25%以下では4分の1なので4位もありえる)。

なぜベスト3なのか。それは消費者が商品の比較検討をするとき、上位3つから選ぶケースが多いからです。

例えば候補が5社あれば、1次選考で3社に絞ってからもう一度選ぶ。2社から提案があれば、もう1社から相見積もりを取って比較する。

これは数学ではなく心理学の分野ですが、人間にはたしかにそうした習性がある。この比較検討のテーブルに確実にのるためのチケットが、シェア26.1%以上といえるでしょう。

市場が完全に自由なら、競争して最終的に勝ち残るのは1社のみです。しかしそこに至るまでに3社寡占の状況が長く続きます。おそらくじゃんけんのように3すくみの状態になって安定するのでしょう。

例えば携帯電話のキャリアもドコモ、au、ソフトバンクの3社寡占で安定しています。シェア26.1%を1つの目安にして、ベスト3に入ることが生き残りの鍵になると思います。