年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。建設業、不動産業に分類された287社から抽出した。業界トップはマンション開発、分譲が主力の野村不動産ホールディングス1172万(平均年齢47.5歳、従業員数9人)。住宅事業では「プラウド」ブランドを展開。

復興需要に沸く建設業界だが

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いま、建設業界は久々の需要増に一息ついている。いうまでもなく、東日本大震災と2012年の九州豪雨災害からの復興需要だ。さらにここにきて、整備新幹線など凍結されていた大型公共事業の復活が決定。加えて、消費税アップに伴う駆け込み需要も見込まれている。

そうした状況は、帝国データバンクが9月上旬に公表した「景気動向調査」(2012年8月調査分)にも表れている。そのなかで建設業界の景況感は「震災復興事業が続くと考えられる。消費増税による早期の発注が見込まれる」とポジティブな判断となった。

それを先取りしたわけでもないだろうが、建設各社の11年の年収は、おおむね前年より増えている。基本的には、スーパーゼネコン5社の800万円台は変わらない。一方で準大手は、まだ業績にバラツキがあり、今後の活路を再編に求める動きが出てきている。13年4月のハザマと安藤建設の合併は、その試金石といえそうだ。

不動産業界は、住宅ローン減税など政府の優遇策の継続を背景に分譲物件の販売が好調に推移している。とりわけ東京湾岸のタワーマンションが人気で、このエリアを手がける野村不動産HD、三菱地所、三井不動産が1000万円台と、あいかわらず高額の給与を誇る。