そのように深く考えることを前提にすると、何について考えるかが重要であることがわかる。なぜかといえば、年単位でそんなにたくさんのことを考えることは不可能だからだ。年単位で3つ程度のことを考えたら、それでその年は終わってしまうことになる。
一つのテーマを2、3年、考え続けるのは難しいものである。だが世の中には実際、よくこのビジネスでこれだけの売り上げを達成できたと驚くような中小企業が数多く存在する。そのような会社の経営者は、自分のテーマをあきらめずに、しつこく考え続けた人たちだ。
むろんいつも成功できるとは限らない。むしろ失敗のほうが多いかもしれない。では何を目指すべきなのかというと、失敗のレベルを上げることだ。成功であるか失敗であるかは、あくまで結果である。棒高跳びで5メートルを失敗したという場合、4メートル99センチで限りなく成功に近い失敗と、2メートルしか跳べなかった失敗では、明らかに失敗のレベルが異なっている。
ビジネスで重視されるのは結果だ。しかし同時にプロセスの重要性も忘れてはならない。一つのことを長く、しつこく考える。それによって思考は深まっていく。答えが出ても考え続ける習慣によって、プロセスの精度だけでなく、成功と見なされる確度も上がるはずだ。
調査概要 gooリサーチとの共同調査により、個人年収500万円台430人(うち男性94.2%)、1500万円台以上430人(うち男性95.3%)から有効回答を得た。20歳以上64歳以下が対象。調査期間は2009年9月11日から14日。
(構成=中村尚樹)